文房具への投資で自分を磨く!300万円を費やしたプロが選ぶ逸品

「投資」とは、一般的に利益を得る目的で事業などに資金を出すことを指します。つまり、お金を出してリターンを目論むことです。今回は文房具ブロガーの猪口フミヒロが「投資としての文房具」の話をさせていただきます。

ここで言う「投資」は、自己研鑽や人間関係の良化のための投資を指しています。僕は、40歳前半で自分の成長を意識して文房具への投資を始めました。そして、54歳のいま、会社員をしながら文房具ブロガーとして生きています。僕の成長を支えてくれているのは文房具と言っても過言ではありません。

文房具のように日常的に使うものを購入することは、我々にとって身近な投資と言えます。ここでは、僕の文房具との付き合い方を公開しますので、ぜひ参考にしてください。

文房具に投資するワケ

万年筆に欠かせないインク。「ペリカン」の赤インクは朱入れにおすすめ。

僕は、2009年から毎日文房具のブログを書いています。ブログの世界で有名なりたいという目標があったからです。当時、ある人から「どんなことでもコツコツ10年続けたら一流になれる」と言われ、その日にブログを始めました。あれから10年が過ぎ、文房具に約300万円を投資して学んだことがあります。

それは、何事にもリターンを期待することが重要だということです。僕の場合は、こだわりの文房具を使うことで仕事の効率化やモチベーションアップを狙っています。漠然と文房具を購入するのではなく、目標に向かってまい進するために厳選した文房具に投資をしています。つまり、自分の力をフルに引き出すために文房具に投資しているのです。

5つのリターンを意識して文房具を使おう

マークした場所を目立たせる蛍光ペンは作業効率を上げる

長く文房具と付き合って感じた、文房具に期待できるリターンを5つ挙げてみます。

1、作業効率を上げてくれる
2、モチベーションを上げてくれる
3、自分の好みや特性を発見できる
4、新しい感性に触れる冒険ができる
5、思考をスムーズに落とし込み行動させてくれる

文房具は人間の能力を補完してくれるツールです。本や資料に付箋を貼れば、すぐそのページに戻ることができ、メモを書き残せば忘れません。蛍光ペンはマークした場所を見やすくしてくれるので、文房具によって作業効率が上がることはよくわかります。

2番目のモチベーションについても非常にわかりやすいので、今回は3番目以降を説明しながら文房具への投資で実感したリターンを説明していきます。

自分の好みや特性を発見するツールである

自分の中の「好き」という感覚はとてもあいまいで、日々変わっていく価値観です。文房具は安価な価格でこの感覚を刺激してくれる先生です。

僕は毎週文房具店に足を運び、何か心を揺さぶるような文房具はないかなと探しています。行きつけの文房具店では、どこに何が置いてあるのかを覚えているので、その日の気分によって様々な文房具を手にとって確認します。そして、気になったものは買います。 「好き」「ほしい」「かわいい」などの感情を素直に受け入れています。

このワクワクがモチベーションに直結します。たかが文房具と思うかもしれませんが、このエネルギーを使いこなすことで大きな成果が生み出せます。有識者の中にも文房具にこだわっている人はたくさんいますよ。

新しい感性に触れる冒険ができる

人間の特性として安定を求めて、なるべく同じところに留まろうとする気持ちがあります。それが安全だからです。そうすると冒険しなくなってしまいます。しかし、冒険は自分自身が進化するためには必要なことです。

文房具は安価だからこそ、冒険ができます。毎月、ゴルフクラブを買い換えることはできなくても、シャープペンシルはそれほど高額ではないので買い換えても痛手ではないですからね。新しい文房具は、新しい感性に触れる機会になります。文房具をたくさん購入して筆記用具を入れ替えてみましょう。

思考をスムーズに落とし込み行動させてくれる

僕が文房具に助けられたなぁと感じるのはこの部分です。「ジェットストリーム」と「ライフノート」に出会い、本から読み取ったエッセンスをストレスなく書きとめられるようになりました。それを何度も読み返して自分のものにして、行動につなげました。

書きとめたことを繰り返し読んで自分を奮い立たせることで、行動力がつき、チャレンジするマインドが育成できたのです。あの人に会ってみたい、あの場所に行ってみたい、こんな人間になりたいという夢を実現できたのはボールペンとノートのおかげだと言っても良いでしょう。書きとめたことを繰り返し読んで自分を奮い立たせることで、行動力がつき、チャレンジするマインドが育成できたのです。

投資して良かった3つの文房具

それでは僕が投資して良かったと思える文房具を3つセレクトして、その内容を説明させていただきます。文房具が「投資」であると言い切る僕の考え方と実践を理解いただけるはずです。

人生を変えた万年筆

マーブル模様が美しいヴィスコンティの「オペラ ブルーベリー」

美しさだけに魅せられてヴィスコンティというイタリアのメーカーの「オペラ ブルーベリー」を購入しました。『趣味の文具箱』という文房具雑誌で見た瞬間に、世の中にこれほど美しい万年筆があるのかと驚いたと同時に、こんな万年筆で字が書けたらどんなに素敵だろうと考えました。

金額は7万3500円でした。筆記具にこんな大金を出すなんて、それまでの自分には考えられませんでしたが、この万年筆を手に入れたら何か変わるのではないかと思ったのです。 その直感は当たり、この万年筆を買ってから大きく人生が変わりました。

この万年筆はインクで流れるように文字を書けるので、思考を妨げずにアウトプットできる凄さを十二分に味わいました。そのおかけで、お金の使い方に対する概念が変わり、何にどうやって使っていくかを考えるようになりました。

すべてが超一流の電卓

「カシオ S100」。キータッチはこれまでの電卓と一線を画すなめらかさ

素晴らしい逸品だと先輩から聞いていたものの、高額でなかなか手が出なかったカシオプレミアム電卓「S100」の話です。最近は電卓を使う機会も減り、会社から支給されている数千円の電卓やスマホの電卓機能で十分だと思っていましたが、先日思い切って購入しました。

「S100」はカシオの山形工場で職人さんの手作りで生産される約3万円の超高級電卓です。最初は価格がゼロひとつ多いんじゃないかと思ったくらいですが、使いだしてみると、画面の見やすさ、キータッチ、アルミボデーの本体、何をとっても超一流です。

まさか3万円もする電卓を自分が買うことすら予想しなかったのですが、この電卓のキーに触れるたびにユーザーへの一流の配慮を感じたので購入を決めました。今まで触った電卓のどんなキーよりもエクセレントです。自分のすぐそばに超一流があるって幸せなことですよね。

相手の心を瞬間的につかめる「自分名刺」

相手に一瞬で自分のことを伝えられる「自分名刺」

名刺は文房具なのか?といわれると微妙ですが、文具であると言っても良いと思ってます。文房具と文具の違いについては、僕の文房具ブログで詳しく説明しています。

「自分名刺」とは会社の肩書きを相手に知らせる「会社名刺」の反対で、プライベートな自分がどんな人物かを相手に知らせるものです。僕はこれまで文房具好きがわかる自分名刺を何十種類も作成してきました。

そしてお会い出来た方には必ずこの名刺を渡して挨拶したのです。効果は抜群でした。 「とっても文房具がお好きなんですね」渡された相手は大抵こういう反応をしてくれます。会社名刺しか持っていないと、まず自分が所属する会社の説明になってしまうので、 プライベートでは面倒なのです。

僕には自分が一体何者で、何がしたくて、貴方に会いに来たのかを一瞬で伝えなくてはならない局面が多いのですが、その前提条件を「自分名刺」が説明してくれます。そして、名刺が相手の心をつかんでくれ、相手はこんな「投資」をしている奴は信用してもいいんじゃないかと心を許してくれるのです。

このように文房具への投資が自己研鑽や人間関係の良化につながるのです。「神は細部に宿る」というドイツのモダニズム建築家のミース・ファンデル・ローエの仕 事上での標語を耳にしたことのある方も多いと思います。文房具にまでこだわってこそ、人生の本質的な部分が決まってくるのです。最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。


プロフィール


猪口フミヒロ

文房具ライター&ブロガーです。文房具のことなら何でもお任せください。毎朝6時にブログ『本と文房具とスグレモノ』を更新し、役に立つ文房具の情報を発信。

 
ブログ:『本と文房具とスグレモノ』
Twitter:猪口フミヒロ